金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「初恋について語る…だって。」

私は瑠璃の代わりにブロックの文字を読み上げる。

「 う〜ん。(苦笑)」

なんて、困った顔をしたわりに瑠璃はまた少し笑ってデスクに頬杖をつきながら…私を見つめた。

「菜乃、ある少年の初恋の話を聞いてくれる?」

潤んだ瞳の中に私の顔が映り込む。

「 ………うん。」

瑠璃はニコっと笑って、頬に手のひらを乗せたままもう一度、私の頭を撫でた。

髪に瑠璃の手の平が滑る。

会えたことに、ホッとして

会いたいと言うことが、こんなに苦しくて…切ないことだと思わなかった。


もう……恋はしないと決めていた。

そんな私を……瑠璃は優柔不断にさせる……。
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