金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「そう…。お医者様が色々手を尽くして下さって…あとは目覚めるだけだって、なのに…ずっと、眠ったまんまで…。」

「そうなんだ…私、ずっと眠ってたんだ。」

「昨晩なんて…突然、先生から呼ばれて…。」

「もしかして、危篤だったの?」

ママは声を震わせて頷いた。

「菜乃…ごめんね。ママ、菜乃の本当の気持ちからいつも目を逸らしてた。
菜乃のことが大好きなのに…いつも素直になれなくて、意地ばっかり張って。
こんなママを許して…。」

「ママ…。ママのせいじゃないよ…謝らないで…。」

「ママは…愛情を上手く伝えることが苦手なの。小さい頃からそう…ママもママのお母さんから、そうやって育っちゃったから。
だからかな…男の人とも上手くいかない。(笑)」

「ママ…。」

「菜乃花、お願いだから…ママを一人にしないで…。ママより先に死んじゃダメ。
ママも強くなるから…だから、お願い一人にしないでっ。」

「ママ…ごめんね。心配かけて…。
私も、ママの気持ちを分かってて…ワザと反抗したりしてた。」

本当に…ごめんなさい。

ママは、これまでだって孤独の中で必死に私を育ててくれた。

時には折れてしまいそうな心の不安を抱えながら…そして、ママは折れなかった。

強くて立派なママだ。
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