金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「菜乃…こんなママでごめんね。」

私はママの背中に手を回して首を振る。

「ママのせいじゃないよ…。」

そしてぎゅっと抱きしめる。



“ 私は菜乃のことを0ゼロにできないのよっ!”



いつかのママの言葉を思い出す。



ゼロになんて…出来ない。



ママと私は、2人で1つだから……。

そうやって生きてきたような気がする。

ママに彼氏ができようが、新しいパパができようが…そうやって生きてきた事に間違いはない気がする。



ゼロになんて…出来ない。



そうだよね、ママ。

「菜乃、退院したら…美味しいもの食べに行こうっ! 菜乃が決めていいっ!」

「(笑)うん、ホントっ。……あっ、そうだ。
美味しい串焼きのお店がいいっ… 」

「 (笑)……う〜ん。分かった。
知り合いに聞いてみとくね。美味しい串焼き屋さん。」

「うん(笑)
でもね、退院できたら…一番先はママの手料理がいいな。」

「 カレーでいい…?(笑)ほら…ママお料理苦手じゃん。」

「私、手伝うよ。ママはジャガイモとニンジン剥いてっ…(笑)」

「それって…ママの手料理…って言わないねっ(笑)ぷぷぷ……。」

「一緒に作ろうっ!!」



私、ママが一生懸命守って育ててくれた命をもっと大切にするよ。


ママはもう一度、私を抱きしめると涙を拭いて笑った。





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