金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
夕方、夕顔の花が開く頃。

瑠璃のTシャツに、瑠璃のハーフパンツを借りて私達は買い物に出かけた。

瑠璃は “ あぶく” の前に、準備中の看板を立て掛けて、パーカーのフードを深く被る。

「 カレー、作ろうっ!」

そう言って出てきたのに、商店街の並びにあるスーパーに辿り着く前に…色んな人が瑠璃に声を掛けてくる。

フードを被っても、全く意味がない様子。


「 あれっ。瑠璃君、彼女?」

布団屋の奥さん。

「おっ!瑠璃、母ちゃんには内緒にしといたるわぁ〜(笑)」

蕎麦屋のおじさんは、表でタバコを吹かしながら瑠璃を冷やかす。

「あんらぁ〜♡瑠璃君。コロッケ、今…揚がったんよ。彼女とどう?」

揚げ物屋のおばちゃんが、ショーケース越しに瑠璃を手招く。

私が思わず足を止めると…瑠璃は“しゃーねーなっ。” というような表情で、クスッと笑った。


「コロッケ付きのカレーにしよう!」

「(笑)うん。」


紙袋にコロッケを入れながら…おばちゃんはニッコリする。
きっと、小さい頃から瑠璃を知っていて…かまってくれたご近所さんなんだろうなぁ〜と。

温かさが伝わってくる。

羨ましい。






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