金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「私、瑠璃の腕…好きだよ。キラキラの白い羽根。」

私は瑠璃の傷痕をそっと撫でる。

「(笑)」




「ホントは浴衣…着ようかと思ったけど、着方…分かんないし。」

「レモン色のワンピ、似合ってるっ。」

「あっ。瑠璃、お願い…占って。
金魚占い。」

「今?」

「うん。今。」

しゃーないなぁ……そう言いながら瑠璃はカウンター越しの棚に手を伸ばす。

「じゃぁ〜、はいっ!今日は何を占いますか?」

両手に握り拳を作ると瑠璃は挑戦的な目で私を見つめた。

「う〜ん…こっち。」

私はやっぱり傷痕が残る方の拳を指差す。

パッと広げた手の平から、黄色の金魚形が飛び出した。

私は…その黄色の金魚を摘むと、しっぽの部分をクルクルと回して中身の飴を取り出した。

水色の飴。

透明に透き通る…綺麗な水色。

「今日も、瑠璃と楽しくいたい。一緒に夜市へ行けますように。」

「(笑)何ソレ。占わなくていいじゃん。」

「黄色の金魚の包み紙。
水色の飴玉。
目が合った水槽の金魚は…このワンピと同じ、レモン色の金魚。
レモンコメット。」

「了解っ!」

瑠璃はレモンコメットの水槽に右手を当てる。

オデコをそっと…くっ付けて、まるで水槽の鼓動を聞くかのように、静かに瞼を閉じる。
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