金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「あそこは……?」

「あぁ……行ってみる?」

「……うん。」

私と瑠璃は、土が剥き出しの脇道に進んで…小さな鳥居を幾つかくぐる格好で歩いた。

ざわっ…と生温い夜風が背筋を撫でる。

私は思わず、瑠璃のTシャツの脇あたりを握りしめる。

「 “ 100年絵馬 ” って言って、100年分の絵馬が祀られてるんだ。」

「100年……。」

朱色の小さな鳥居を幾つもくぐり抜けると、左右にズラリと絵馬が吊り下げられていた。

「さすがに、100年って言うのは盛りすぎなんじゃねぇ〜のって(笑)
けど…20年分ぐらいはあるんじゃないかな。
普通、1年経ったらお焚き上げするっていうのとは少し違うのがこの神社の絵馬なんだ。」

絵馬と絵馬が重なり合いながら…杜の奥まで続く奉納スペースに圧倒される。
< 84 / 160 >

この作品をシェア

pagetop