金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.

○。°• 未来の順路 °・。○

         ○。
         °○
○°
・°
○。
         。

私は左右に奉納された絵馬を見つめながら…背の低い鳥居をまた幾つかくぐって、一人で前へと進んだ。

そのうちに、朱色の鳥居は杜の奥に広がる池へと続いた。

池には数本の鳥居が、水に浸かって立たずんでいる。

澄み渡った水底が雪洞に照らされて…キラキラ揺れて…

小さな鳥居はまるで鏡の上にあるかのように水面にその姿を写していた。

池の畔で立ち止まる私に、人の声がどこからか届いた。


   ………広…斗? 


聞き覚えのある声に思わず雪洞の支柱に身体を寄せる。

広斗が一人ではないことを察して…反射的に身を隠す。

たぶん……相手は女の人。

「広斗。私の事は大丈夫。だから…もう自分を責めたりしないでね。」

女の人の声のトーンから2人の関係が親密だということを感じてしまう。

「 …あ、あぁ。」

「私……広斗にひどい事をいっぱい言ったよね……。」

「 ………いや。」
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