卒業まで100日、…君を好きになった。
「……いや。何でもない」
首を振って、平くんはまた歩き出す。
バカだねって、言ってもいいのに。
本当に優しいんだから。
「ねぇ。平くんも、よかったら一緒にケーキ作ろうよ」
「俺? 俺お菓子作りとかしたことないけど」
「大丈夫だよー。簡単なものにするから」
「でも俺が手を出すより、春川さんだけでやった方がきっと綺麗で美味しいでしょう」
「だって、同盟でしょ? 一緒に楽しいことしようって約束したよね」
平くんから誘ったんだから。
わたしはそれが、とてもとても嬉しかったんだから。
「一緒にケーキ作るの、きっと楽しいよ!」
わたしが笑って言うと、平くんは切れ長の目を丸くして、それからフードを目深にかぶった。