卒業まで100日、…君を好きになった。
高校受験の時も、問題集とか参考書とか単語帳とか、重さでカバンが変形するくらいたくさん持ち歩いてたっけ。
「受験が終わって学校も終わっても、なんだかんだ勉強してるねぇ」
「まるで勉強が好きみたいだね」
「わたしは全然好きじゃないんだけどね!」
「春川さん、勉強嫌いって言ってたもんね」
「そうそう。お菓子のことならいくらでも頭に入ってくるんだけどさ。……ん? あれ? わたし、勉強嫌いなんて言ったっけ?」
あんまり勉強の話しって、平くんとしていない気がする。
でもまあ、進学校に来ておいて専門学校に行くような奴だから、周りにそう思われてるのはわかるけど。
「いつだったか、言ってたよ」
「そうだっけ。平くんはもちろん勉強好きでしょう?」
「嫌いじゃないけど、好きでもないよ。勉強できても、それを活かす道を見つけなきゃ意味ないし」