卒業まで100日、…君を好きになった。

それをいま言うのか。

気まずくて、わたしは視線をさまよわせた。


受験が終わったら付き合わないかという彼の誘いを、メッセージカードに書いてお断りした。

冗談なのかどうなのかわからなかったから、一応というつもりで書いたんだけど。



「あの! 平くんは冗談だったのに変なこと書いちゃってごめんなさい! わたしほんとバカで、忘れてくれると――」

「冗談じゃなかったんだけどな」

「……え」

「だからあの返事は見なかったことにするよ」

「ええっ!?」



聡くんは驚くわたしに、苦笑いする。

本当に、お兄さんよりもずいぶん表情豊かだなあと感心した。



「卒業式にもう1回言うから。その時まで返事も待って」

「え。で、でも。平くん」

「聡でいいよ。どっちも平だから言いにくいでしょ」

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