一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
翌朝、会社に出勤した海音は桜が実家から持ってきてくれたスーツに着替え、社長室にいた。
今日は桜と桜の夫、洋輔も顔を揃えている。
海音を自宅マンションに泊めてくれた萌音は、朝食の片付けをしてから出勤するといい、海音と時間差で出社予定だ。
「道端産業と佐和田産業の私怨をきっかけに、海音くんと萌音さんにご迷惑をおかけしているようで申し訳ありません」
桜から佐和田の非道を聞いた洋輔は、ハリウッド風のイケメン顔を歪ませて、丁寧に頭を下げた。
「これまで佐和田産業は近藤コンストラクションカンパニーとの共同事業で店舗拡大をはかってきたと思っていたのだが、急にうちにアプローチをかけてきたことにも何か理由があるのかな?」
「実は父達の代で、佐和田産業と道端産業がM&A(合併と買収もしくは提携の意味)をするという話が出ていたらしいんですよ。」
それは洋輔が中学生の頃の話だから、今から16年前のことになる。
「その時に父親同士が冗談で『子供同士を結婚させましょう』ってことになって、僕と佐和田さん、えっとごめん、下の名前は覚えてないんだ・・・が婚約者になっていた時期があったらしくて」
洋輔が14歳なら、佐和田はまだ11歳。
小学五年生の多感な時期だ。
「一度、顔合わせとかなんとか言われて、佐和田社長と娘さんに会ったことがあるけど正直、顔も覚えてないし。本当に短期間のことで婚約してたことも昨日まで忘れてた」
M&Aの話が出た翌月には、佐和田の強引なやり方に反発する道端側の重役が多く、話は裁ち切れとなった。
当然、婚約の話も流れたため、中学生だった洋輔はそのことを記憶の中から消してしまっていたらしい。
「えっ?そんな昔のことで彼女が逆恨みする?しかもターゲットが洋輔や私じゃなくて、海音とかおかしくない?」
「佐和田を切った道端産業は佐和山建設と手を結んで業務拡大をかけたおかげで一気に業界に名を馳せるようになった。一方で信頼を得られなくなった佐和田産業はしばらく経営が立ちいかなくなり道端を恨んでいるらしい」
「それなら彼女がターゲットにするのは洋輔や私じゃない。海音に手を出してなんの得があるの?」
洋輔の言葉に、桜も眉をひそめる。
「弱味を握れれば何だって良かったんじゃないか?海音くんはイケメンだし仕事もできて将来性がある。しかも高等部の同期で接点があるから近づきやすい。佐和山の懐に潜り込んで、道端を懐柔しようという魂胆なんじゃないかな?」
いずれにしろ自分勝手な理由だ。
しかし、理由はどうあれ佐和田があんなに強気でいられるのが海音には不可解な点だった。
「協力者がいるな・・・。」
顎に手をやり呟いた海音の脳裏には、近藤コンストラクションカンパニーの御曹司で萌音の大学の後輩゛近藤くん゛の存在が思い浮かんでいた。
今日は桜と桜の夫、洋輔も顔を揃えている。
海音を自宅マンションに泊めてくれた萌音は、朝食の片付けをしてから出勤するといい、海音と時間差で出社予定だ。
「道端産業と佐和田産業の私怨をきっかけに、海音くんと萌音さんにご迷惑をおかけしているようで申し訳ありません」
桜から佐和田の非道を聞いた洋輔は、ハリウッド風のイケメン顔を歪ませて、丁寧に頭を下げた。
「これまで佐和田産業は近藤コンストラクションカンパニーとの共同事業で店舗拡大をはかってきたと思っていたのだが、急にうちにアプローチをかけてきたことにも何か理由があるのかな?」
「実は父達の代で、佐和田産業と道端産業がM&A(合併と買収もしくは提携の意味)をするという話が出ていたらしいんですよ。」
それは洋輔が中学生の頃の話だから、今から16年前のことになる。
「その時に父親同士が冗談で『子供同士を結婚させましょう』ってことになって、僕と佐和田さん、えっとごめん、下の名前は覚えてないんだ・・・が婚約者になっていた時期があったらしくて」
洋輔が14歳なら、佐和田はまだ11歳。
小学五年生の多感な時期だ。
「一度、顔合わせとかなんとか言われて、佐和田社長と娘さんに会ったことがあるけど正直、顔も覚えてないし。本当に短期間のことで婚約してたことも昨日まで忘れてた」
M&Aの話が出た翌月には、佐和田の強引なやり方に反発する道端側の重役が多く、話は裁ち切れとなった。
当然、婚約の話も流れたため、中学生だった洋輔はそのことを記憶の中から消してしまっていたらしい。
「えっ?そんな昔のことで彼女が逆恨みする?しかもターゲットが洋輔や私じゃなくて、海音とかおかしくない?」
「佐和田を切った道端産業は佐和山建設と手を結んで業務拡大をかけたおかげで一気に業界に名を馳せるようになった。一方で信頼を得られなくなった佐和田産業はしばらく経営が立ちいかなくなり道端を恨んでいるらしい」
「それなら彼女がターゲットにするのは洋輔や私じゃない。海音に手を出してなんの得があるの?」
洋輔の言葉に、桜も眉をひそめる。
「弱味を握れれば何だって良かったんじゃないか?海音くんはイケメンだし仕事もできて将来性がある。しかも高等部の同期で接点があるから近づきやすい。佐和山の懐に潜り込んで、道端を懐柔しようという魂胆なんじゃないかな?」
いずれにしろ自分勝手な理由だ。
しかし、理由はどうあれ佐和田があんなに強気でいられるのが海音には不可解な点だった。
「協力者がいるな・・・。」
顎に手をやり呟いた海音の脳裏には、近藤コンストラクションカンパニーの御曹司で萌音の大学の後輩゛近藤くん゛の存在が思い浮かんでいた。