一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
使われていない第3会議室。

聞かされた話はあまり気持ちのよいものではなかった。

「佐和田さんと近藤コンストラクションカンパニーの駿太さんは表向きの婚約関係にあるらしいわ。お互いに好みのタイプではなかったらしいから、それぞれに好きな人ができたら解消する位の緩い関係」

海音の顔が険しくなる。

「近藤の野郎が『萌音のことを好きになったから佐和田には俺をあてがう』とでも言ったのか?」

「さあ、その辺は当事者じゃないから良くわからないけど、これまですべて近藤コンストラクションカンパニーに受注してきたレストランの設計を佐和山建設にお願いしようと決めたのは佐和田さんみたいよ」

桜は手にしていた調査書類を海音に渡した。

「親達は知らなかったみたいだから少しもめてるみたいよ」

道端産業はライバル会社の佐和田産業の動向に詳しい。

長年提携してきた近藤コンストラクションカンパニーを切ろうとする佐和田(娘)の強引なやり方に、反発が起きているのも耳にしているのだろう。

「その、近藤くんとやらに話を聞いてみたらどうかな?いくら何でも、佐和田さんがあんな強引なやり方で海音に言い寄るとは夢にも思ってなかったと思うよ」

確かに、アイドル顔だが理知的に見える近藤が、あの佐和田のアホな計画に荷担しているとは思えない。

何より長嶺教授に知られたら一発でレッドカードだ。

海音は午後から萌音を連れてN大学に向かうことにした。

< 160 / 187 >

この作品をシェア

pagetop