一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「もう一人、高等部に真逆の感想を書いてきた生徒がいるの。はっきり言って苦笑しちゃったけど、いろんな感想があって当然だから受け入れなくちゃね」

野瀬は微笑みながら

『結論から言えば゛運命の片割れはいる゛と思う。だけど、私はいろんな可能性を調べて見極めたい。そのためには精神面だけでなく身体の相性も確認することが重要です。いくら性格や価値観が似てるからって、性の不一致はどうにもならない。先生は性の不一致が離婚の原因になることを知っていますか?だから私は気になったら寝技をかけてでも確かめにいきます。後で後悔したくないから』

といった内容の感想文を読み上げた。

「これも高等部3年特進科の女子の感想ね」

゛佐和田だ。佐和田に違いない゛

萌音はその内容を聞いてそう確信した。

「彼女の意見は極論ね。野生の動物ならそれでもいいと思う。人間にとって、身体の関係には感情を伴う。精神的な繋がりがあってこそ信頼して身を任せることができるはずよね。裸になって無防備に弱点をさらして。割りきった関係、同意のもと、って彼らは言うかもしれない?本当にそうかしら?中途半端な興味がストーカー行為などの犯罪行為や自殺、メンタルダウンにも繋がることもある。それが動物と人間の違いよ」

萌音は黙って野瀬の話すことを聞いていた。

「私はね。運命の片割れを見つけるまで恋愛をするなって言ってるわけではないの。本当に好きになった人がいて、お互いに思いやって、濃厚な付き合いの後、結果、結ばれなくても、それはお互いがお互いのツインソウルではなくソウルメイトだったということ。その人は魂の成長に必要な相手だったと言える」

そこまで言って、野瀬教授は手元のコーヒーをすすった。

「断っておくけど、私は思想を利用した悪徳業者ではないわ。壺を売り付けたり、マインドコントロールしたりはしないから安心して」

オチャメな顔で笑う野瀬教授に、萌音も表情を崩した。

「問題なのは相手を思いやる関係を持てるかということなの。恋愛とは゛下心と真心゛で成り立つ漢字で構成されているでしょう?下心だけでは恋愛はできないの」
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