一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「何が食べたい?」

「豚骨ラーメンですかね?」

「ラーメン好きなの?」

「牛丼でもいいですよ」

信号向こうの牛丼チェーン店を指差して、萌音は海音を見上げた。

キラキラ光っている瞳は、海音を気遣っての言動ではないらしい。

「大学では、安・近・短がキーワードでしたから。食べられるだけでもありがたい」

建築業界にも女性が増えてきたとはいえ、まだまだ男性の多い世界だ。

童顔で美少女風の萌音はさぞかし苦労したに違いない。

「大変だったんだね」

「いえ、同期はみんなサバサバしていて、男も女も関係ありませんでしたから」

結局ラーメン屋を選んだ二人は、美味しそうな臭いに引き寄せられるように、色褪せて店名がわからなくなっている暖簾をくぐった。
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