一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
講演会が終わり、ゾロゾロと体育館を出ていく生徒達。

海音の横を、さっき目が合った美少女が通りすぎようとしていた。

『萌音ちゃん、この後購買部に行く?』

『うん。お弁当作るの忘れたから』

彼女の名前は萌音というらしい。

すれ違う中等部と高等部の男子生徒も萌音をチラチラと見ていた。

『ほら、あの娘が例の・・・可愛いな』

『ああ、この学校をデザインした有名な建築士の娘か』

海音はその言葉に反応して、こそこそ話をしている同級生を呼び止めた。

『有名な建築士ってN大学の長嶺教授?』

『あ、ああ、長嶺教授は離婚していて彼女は母親に引き取られているから名字は違うけど、娘ってのは本当らしいぞ。流川萌音っていったかな?彼女自身も美術部でデザインの大きな賞を取ってる。知らなかったのか?』

友人のあきれた声も耳に入らない。

海音は、もはや萌音が運命の相手としか思えなくなっていた。

だが、父親目当てで近づいたと思われたくはない。

やはり、まずはN大学に進学して、長嶺教授に認められることが先決だと海音は悟った。

彼女が運命の片割れならきっとまた会える。

縁は途切れなく結ばれているはずだ。

海音は、これからの数年間を無駄に過ごすのではなく、彼女と結ばれるための有意義な時間に変えるべく努力をすることを楽しんだ。




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