一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「あー、素敵な作品ばかりで満足」

萌音はうっとりとした表情で天井を見上げると、大展示室を出た。

もちろん隣には海音がしっかり張り付いている。

「海音さん、今日はありがとうございました。私はこれから他の展示室も見てまわるのでここで解散しましょう」

海音に向き合う萌音は、真剣な表情で告げた。

「なんで?俺もつきあうって言ったろ?」

「言ってない」

「今言った」

「・・・」

埒があかないとはこの事だろう。

ため息をついた萌音に

「で、どこを見るの?」

と、海音が鼻と鼻がくっつきそうな位まで顔を近づけてきた。

「19世紀の絵画展をやっているらしくて、そこを見ていこうかと・・・」

「ああ、萌音のお母さん、画家だもんな」

萌音は母親が画家であることを話したつもりはなかったが、きっと長嶺教授から聞いたのだろうと勝手に結論付けた。

海音は納得したように頷くと萌音の手を引いて歩き出す。

この海音の強引さに最早慣れつつあった萌音は、自分の適応力の高さに若干引きつつあった。
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