一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「美味しいよ。萌音は料理も上手なんだな」

「お誉めいただき光栄です」

それは萌音の本心だった。

友人も少なく、忙しい両親と自己完結型の祖母に囲まれて育った萌音は、あまり誰かに料理を振る舞う機会がなかった。

というよりも、一人で食事をするか、ラーメンなどのお手軽に口にすることのできるB級グルメなどで済ませることが多かったのだ。

少しでも好意を持っている男性に料理を振る舞うことがこんなに楽しくて嬉しいなんて・・・。

萌音は、恋愛に現を抜かす女性達をまるで別世界の生き物のようだとボンヤリ眺めていたが、なんとなく、なんとなくだけど、今はその気持ちがわかるような気がしていた。

子供のように目を輝かせて萌音の作った料理を食べる海音が可愛いい。

゛この訳のわからない萌えの感情も恋なの?゛

いつの間にか萌音は、テーブルに頬杖をついて海音が食事する様子を眺めていた。

「どうした?萌音は食べないのか?」

「うん。食べる。でも今は美味しそうに食べてくれる海音さんを見ていたいの」

「ぶっ・・・!」

突然のデレモードの萌音の出現に、海音はこれまでのやり取りのどこにデレスイッチがあったのかと理解できず、驚きのあまり口に含んだものを吹き出しそうになった。

海音が気を取り直して恐る恐る萌音を見ると、うっとりとした表情で頬杖をついて海音を見ている。

開き直った海音は、自らもデレモードに切り替えることにした。

このチャンスを逃すわけにはいかない。

「ほら、萌音も食べなよ。あーんしてやるから」

海音は、自分のお皿からハンバーグを一口スプーンに乗せると

「はい、あーん」

と、萌音の口元に持っていく。

柔らかな萌音の唇が悩ましげにゆっくりと開く。

「・・・あーん」

佐和田のいやらしくて下品な真っ赤な唇とは全く違う、食べてしまいたくなるようなプルプルの唇。

口を開くと同時に萌音の瞼も閉じたのを確認した海音は、スプーンを置いて、テーブル越しに萌音の唇にキスを落とした。
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