転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「夏頃とおっしゃっていたかと。ヤエコ様に同行した留学生が落ち着くまで様子を見たいとおっしゃっていましたし、こちらに派遣して酪農を学ぶ人も選抜しなければならないからという理由でした」

 ミナホ王国の医療は、オストヴァルト帝国より進んでいる。ヤエコが国に戻る時、医学を学ぶためにオストヴァルト帝国から若手の医師を何人か連れて行った。ミナホ王国からオストヴァルト帝国には、酪農を学ぶ人材が来る予定だ。

「冬に会った時には、そんな計画があるとは言っていなかったな」

 父が顎に手を当てる。
 冬にヤエコがイローウェン王国へと赴き、ヴィオラとタケルの縁談を持ちかけたので、父とザーラもヤエコと面識がある。

「そういう話になったのは、ヤエコ様がお帰りになる直前だったんですよ、お父様」
「ヴィオラ姫、ずいぶんヤエコ様と親しくしているようね? 縁談のお申し出があるくらいですもの」

 ヤエコの名に、そう口にしたザーラが一瞬眉間に皺を寄せたのは、ヤエコとは気が合わなそうだからだろうか。

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