転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 だから、心配なのだ。考えてみれば簡単な話だ。

「心配してくれて嬉しいわ。ありがとう。たいしたことはないのだけれど、少し熱があるのよ。食欲もなくて……」

 皇妃も、ヴィオラの言葉に少しほっとしたようだが、彼女の心配を完全に消滅させることはできなかったようだ。

「野菜スープなら召し上がることができるのでは?」
「でも、スープは嫌だと言うのよ。病人ではないからとおっしゃって」

 皇妃は額に手を当ててしまった。
 こういう時にはスープが定番なのだが、どうやら露骨に病人食だというのが気に入らないらしい。

(たぶん、発熱しているってことは風邪……なのよねぇ……?)

 風邪をひいた時、前世の両親は何を作ってくれただろう。
よく出てきたのは、茶わん蒸し、プリン、野菜をことこと煮込んだスープに、アイスクリーム、おかゆ。

(おかゆじゃちょっと地味……よね……陛下は和食もお好きだけど)


「野菜スープは、厨房にありますよね?」
「ええ、あると思うわ」

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