転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「今まで父上が体調を崩した時にも、毒を盛られたんじゃないかとか実は刺されたんじゃないかとか噂にはなった。けれど、今回は嫌な予感がするんだよ。だから、俺のとこで止めた。父上ににらまれたくはないからな。だから、母上は動かない」
「……そう、ですか」

 そんな話をヴィオラにされても困る。
 だが、セドリック自身が言ったように、セドリックからリヒャルトにするのには抵抗のある話でもあるのだろう。
 セドリックは、リヒャルトのことが嫌いだと本人の前で明言したこともある。仲のいい兄弟というわけではないのだ。

「俺は、異母兄上のことは今でも好きじゃない。でも今、皇太子の座から追いやるのも得策じゃないことくらいわかる。それに――」

 そこで言葉を斬った彼は、ヴィオラの頭をぐしゃぐしゃとかき回した。綺麗に結ってもらった髪が乱れてしまう。

「わわ、なにするんですか!」

 上半身を反らし、ヴィオラはセドリックの手から逃れようとした。

「ちょっとからかっただけ。じゃあ、俺はもう行こうかな」
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