転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「からかったって……」
「……君がそばにいるのなら、異母兄上も、もうちょっとしゃんとするかもしれないからな。ダメそうだったら、俺が皇太子の座を奪い取りに行くよ」

 ふくれっ面になったヴィオラを見て笑い声をあげたセドリックは一度腰を浮かせたが、なにか考え直したのか、またすとんと腰を下ろした。

「それと、君の母上にはひと言言っておいた方がいいぞ。ああも派手に動き回るのは、父上に怪しんでくれと宣伝しているようなものだ」
「だから、母じゃないんですってば……」

 その時、熱心に剣を打ち合っていたリヒャルトが、セドリックの存在に気づいたらしい。手を止めてこちらへと歩いてくる。

「セドリック、なにかあったか?」
「いや、ちょっと俺の小さな魔法使いと話をしに来ただけ」

 セドリックは、時々ヴィオラのことを魔法使いと呼ぶ。それは、ヴィオラと関わった人達が少しずつ変化しているかららしい。
 リヒャルトや皇妃だけではなく、皇帝や、ジャニス妃、セドリック自身も含めて。
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