転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 誰が、彼女にここに戻ることを許したのだろう。少なくとも皇帝は、生涯許すつもりはなかったはずだ。

「今、父上のところによって確認してきたが、戻ってくるようにという命令は出していないそうだ。ティアンネ妃は命令書を持ってはいたが――」

 おそらく、それは偽造されたものだったということなのだろう。
 どういう手段を使ったのかはわからないけれど、ティアンネ妃は書類を偽造して王宮に戻ってきた。
 危険を冒す以上、なんらかの目的があるはずだ。それも、ティアンネ妃自身が動かなければならないほどの大きな目的が。

「……それで?」
「父上は、ティアンネ妃をしばらく皇宮に留まらせることにした。元の宮には戻さず、あくまでも客人扱いだ」

 偽の命令書を作ってまで、皇宮に戻ってきた理由がわからない。当面の間は、皇帝の目の届くところで監視するということらしい。

「……そうですか」

 リヒャルトが急いで戻るようにヴィオラに言ったのもわかった気がした。
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