転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 追放されたのち、ティアンネ妃の恨みは募る一方だった。
 それは、見当違いの恨みなのかもしれないが、国から捨てられたティアンネ妃が選択できたのは、あのまま離宮で朽ち果てるか、いつか皇宮に戻れる日を夢見るか、自力で帰るかだけ。さほど多くはなかった。
 そして、ティアンネ妃が選んだのは、自力で帰還する道だった。手を組む相手として彼女が選んだのがザーラだ。

「ザーラ妃に金銭援助を求め、かわりに次の皇太子の妃にザーラ妃の娘をつける。それで、彼女は乗ってきましたよ」
「馬鹿馬鹿しい」

 思わずとがった声が出た。ザーラはヴィオラの母に負けてなどいないだろう。王の愛情を一心に受け、ある意味王妃よりも贅沢な生活をしていた。
 それなのに、それ以上を望むというのか。
 だが、つい最近まで、国内の貴族達はこぞってティアンネ妃を取り囲んでいた。満月宮を訪れる者もほとんどいなかった。
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