転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「――ヴィオラ。俺に黙ってそういうことをされるのは困る」
「……ごめんなさい」

 リヒャルトには内緒だったので、今聞かされて驚いたようだ。
 ヴィオラの味覚は他の人より鋭いから、毒物をスプーン一杯も摂取する必要はない。
 金属の串を浸し、そこについたものを舐める程度でよかった。それならば、身体に害はほとんどない。

「……あなたのカップではなく、このカップの中身を口にしてください。なにも入れていないというのなら、飲むことができるでしょう?」

 ヴィオラが突き出したカップを、ザーラは手に取ろうとした。その手が震えている。
 けれど、それを制したのはリヒャルトだった。

「ダレル草の毒は、たんなる病として片づけられることも多い。ヴィオラ、毒見係を呼ぼう。彼らなら、なにが入っているのかを見つけてくれる」

 ザーラが手を伸ばし、ヴィオラの手にあるカップを奪おうとする。だが、リヒャルトは器用にザーラをいなし、ヴィオラからカップを受け取った。

「……それでよいな、イローウェン国王」
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