転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 けれど、前回の国外追放まで解除されたわけではなかったから、傷が癒えしだい、オストヴァルト帝国を離れなければならない。
 そこで、ヴィオラは父から与えられた領地の管理をセスに任せることにした。
 信頼できるヴィオラの知り合いなんてニイファかセスくらいしかいないし、セスには行き場がない。だったら、セスに頼もうと思ったのだ。
 セスなら、きっと立派に領地を再興してくれるだろう。

「――ヴィオラ様! 俺も父の見送りが終わったんで、出立します」

 まだ傷の癒えていないセスは、小さく呻き声を上げたけれど、ヴィオラの前に膝をついた。そして、ヴィオラのスカートの裾を持ち上げ、そこに口づける。

「ちょ――セスッ!? あなた、なにやってるの!」

 セスの忠誠心より、彼が元気になってくれた方が嬉しい。

「ありがとうございます、ヴィオラ様。俺の忠誠心なんて必要ないでしょうが――」
「いるけど! 気持ちはありがたいけれどっ!」

 怪我をしているのだから、無理はしなくていい。

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