転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 もし今、ヴィオラに〝不幸な事故〟が襲いかかったとしたら、国元で事故にあった時より何倍も厳重な捜査が行われることになる。ザーラもそれは恐れるはずだ。
 何気ないふりで、ヴィオラは話を続けた。

「ミナホ王国のヤエコ様とも親しくさせていただいています。今は、国の方にお帰りになってしまったのですけれど……夏にはこちらに戻ってこられる予定だと聞いております」

 父がヤエコと面識があることももちろん知っている。ここでヤエコの名を出したのは、ヤエコにも可愛がってもらっているというヴィオラなりの牽(けん)制(せい)だ。

(他の人に助けてもらうしかないのが、歯がゆいし申し訳ないんだけど……)

 そうも思うが、背に腹はかえられない。虎の威を借りる狐そのものではあるが、ヴィオラ自身に力がつくまでは他の人の手を借りるしかないのだ。

「そうだな。ヤエコ殿からは、お前を息子の配偶者にという話ももらっていたな。オストヴァルト帝国との話もあったから、断らざるをえなかったが」
「……はい、お父様」

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