かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
抵抗する間もなくバスローブの前を開かれ、露わになった胸に長嶺さんの熱い舌が這った。

「どんなに君を愛しているか、もう一度再確認してもらう必要があるな。破かれた婚姻届を見たときの俺の気持ちがわかるか?」

「そ、それは……ごめんなさい」

「お仕置きだな」

バスローブを脱ぎ捨て、私の身体を力いっぱい抱きしめられると彼の肌の熱さや筋肉のはりが伝わってくる。今さっき抱かれたばかりだというのに再び身体の芯が疼きだして、私は項まで赤くした。

長嶺さんが私の顔の横に両手をつき、真剣な面持ちで見下ろしてくる。逞しい肩や広い胸が目の前にさらされて、その独特な色香に眩暈を覚えた。

「ああ、もうとろとろだな……また君を丸呑みにしたくなった」

「さっきも、したのに……」

「君を抱くのは何度だって構わない」

獣のようなその視線と重なる。長嶺さんの強引さに拒絶することもなく、むしろ心底陶酔しきっている私はどうかしているんじゃないかとさえ思う。けれど、私はそれほど彼のことを愛しているのだと改めて気づかされた。

「長嶺さん……私も、欲しい……」

淫らな私の期待が伝わったのか長嶺さんが唇の端を吊り上げ、ゾクゾクとしたものがこみあげてきて身が震えた。

「芽衣、愛してる……」

私も。そう答えたいのに声が掠れてしまい、代わりに私は彼の太い首に腕を回した。

「っんぅ……!」

引き攣るような痛み以上に身の内を満たす熱に陶酔する。私は貪欲にもっと、もっととねだるように長嶺さんの火照った身体を抱き寄せた――。
< 209 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop