かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
『ブライダル雑誌、新しいのが出てたから昨日買ってきたんだ』
「え? また買ったんですか? あの、ちょっと買い過ぎじゃ……」
帰国したら結婚式の準備を進める予定でいたけれど、冬也さんは一昨日も、先週もその前の週も雑誌を買ったと言っていた。
いったい何冊買ったんだろ?
山積みになった雑誌を想像すると、思わずおかしくて笑みがこぼれる。
今日は金曜日。日本のほうが八時間進んでいるから長嶺さんは週末の朝のひとときを、コーヒーでも飲みながらゆっくり過ごしているのだろう。
『別に雑誌くらい何冊あっても構わない。けど、こういうのはひとりで見るものじゃないだろ? 虚しくなる。それに、そっちで妙な男に引っかからないか心配だ。考えるだけでも仕事に手がつかない』
電話の向こうで冬也さんが、はぁ、とため息をついている。
「大丈夫ですよ。私、冬也さん一筋ですから。それに一緒に雑誌を見るの、楽しみにしてます」
『ああ、俺もだ』
結婚してからというもの、冬也さんは今まで以上に私を溺愛してくれる。けれど、案外やきもちやきで過保護で心配性で、たまにどっちが年上なのかわからなくなるときがある。普段、部下の前では凛としているのに、私の前では誰も知らない一面を見せてくる。それも私だけが知っている姿なのだと思うと嬉しくてついつい頬が緩んでしまう。
「そういえば、凱旋門の近くのカフェに行くって約束、あれ覚えてますか?」
『ああ、覚えてるよ』
「実は今、ちょうどあのときのバーにいるんです。なんか冬也さんの声聞いてたら、思い出しちゃって……結局、あの約束は果たせずじまいでしたね」
「え? また買ったんですか? あの、ちょっと買い過ぎじゃ……」
帰国したら結婚式の準備を進める予定でいたけれど、冬也さんは一昨日も、先週もその前の週も雑誌を買ったと言っていた。
いったい何冊買ったんだろ?
山積みになった雑誌を想像すると、思わずおかしくて笑みがこぼれる。
今日は金曜日。日本のほうが八時間進んでいるから長嶺さんは週末の朝のひとときを、コーヒーでも飲みながらゆっくり過ごしているのだろう。
『別に雑誌くらい何冊あっても構わない。けど、こういうのはひとりで見るものじゃないだろ? 虚しくなる。それに、そっちで妙な男に引っかからないか心配だ。考えるだけでも仕事に手がつかない』
電話の向こうで冬也さんが、はぁ、とため息をついている。
「大丈夫ですよ。私、冬也さん一筋ですから。それに一緒に雑誌を見るの、楽しみにしてます」
『ああ、俺もだ』
結婚してからというもの、冬也さんは今まで以上に私を溺愛してくれる。けれど、案外やきもちやきで過保護で心配性で、たまにどっちが年上なのかわからなくなるときがある。普段、部下の前では凛としているのに、私の前では誰も知らない一面を見せてくる。それも私だけが知っている姿なのだと思うと嬉しくてついつい頬が緩んでしまう。
「そういえば、凱旋門の近くのカフェに行くって約束、あれ覚えてますか?」
『ああ、覚えてるよ』
「実は今、ちょうどあのときのバーにいるんです。なんか冬也さんの声聞いてたら、思い出しちゃって……結局、あの約束は果たせずじまいでしたね」