かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
やっぱり、長嶺さんは料理上手なんだ。もしかして前職はシェフだったりして?

そんなことを思いながらフライパンで麺と具に別々に火を通していく。しかし……。

わっ、なんか焦げてきた。なんでだろ?

私はすかさずフライパンに少し水を入れ、菜箸でかき混ぜて様子を見る。

なんか、水入れすぎたかな?

火を強火にしたまま水気を飛ばそうとしたけれど、味付けをした頃にはすっかり麺が水を吸ってしまい、目の前には焼きそばになるはずのベチャベチャの物体がフライパンの中で燻っていた。

ど、どうしよう……。

あー! やっぱり余計なことしなければよかった!

完全に焼きそば作りは失敗に終わった。ネットで検索すると、“小学生の娘が今夜は焼きそばを作ってれましたー!”なんて書き込みを見てますます凹む。

証拠隠滅! 早くこれをなんとかしなければ……。と思っていると最悪なタイミングで玄関のドアが開かれビクリとする。

「ああ、帰ってたのか、ただいま。ん? なんかいい匂いが……す、る……それは……?」

「お、お帰りなさい……」

もう逃げも隠れもしないで観念しよう。
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