【短】舞散れ、冬の香り。
その一言にきょとん、とする彼。
少しの沈黙の後、彼は言った。
真っ直ぐな眼差しで、真剣に…。
「同情なんて、そんなこと1つもしてないよ」
と。
「じゃあ、なんで…」
「一人で泣かせたくないから」
「は?」
「ただそれだけ…理由はね」
にっこり
微笑む彼は余裕綽々だ。
それが余計に癇に障る。
「あのねぇ?人の弱いとこ突いて、何が楽しいの?」
あ、ヤバイ。
この展開では、彼の前で泣いてしまうかもしれない。
私はそれを隠すように唇を噛んだ。
「弱くなんかないでしょ?内海さん…滅茶苦茶頑張ってるし…戦ってるし。常にね」
「…っ!」