愛は、つらぬく主義につき。 ~2
一番太く刺さってる棘の位置を教えて真は笑った。ただ抜いたって血が噴き出すだけ。どんな言葉ならその傷を洗ってあげられる?、・・・ねぇ。

たまらなくなって真の首に両腕を回し、胸板に顔を寄せた。

「・・・子供の頃からずっとあんたのお嫁さんになりたくて、あんたが好きで好きでしょうがなくて。あたしほど、あんたナシで生きられない女はこの世にいないの。誰かのために泣くことだってあるけど、一番泣くのは真のためだよ。一番笑ってほしいのも、あたしの一番はぜんぶ真だよ・・・っ」

自分は後回しでいいの、なにより幸せにしたいのは真なんだから!

もっと心を打つような言葉って他にもあるんじゃないかって思う、こんな在り来たりなんかじゃなく。いざ形にしようとひねり出してもこれが精一杯で。情けない、全然ダメだ。小さく鼻をすする。

「・・・知ってる」

あやすようにあたしの後ろ頭を捕まえた大きな掌。

「宮子がオレの言うコト聞かないから拗ねてんだよ。もっとちゃんと、オレの機嫌取りな」

溜息混じりに。・・・少し意地悪に。

「そこはキスして『アイシテル』、じゃねーの?」

おずおず顔を上げると綺麗な顔した男が素っ気なく、目だけで優しく笑ってた。





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