愛は、つらぬく主義につき。 ~2
二人で広縁の廊下に出るとちょうど榊がいたから、遊佐を任せる。
他にも座敷の外で待機してる各組の警護役やら、ウチの巡回組やら、黒い柱があちこちに生えてるみたい。

「・・・お嬢、どちらへ」

ふっと目の前が暗くなったと思ったら、ひょろっとした長身のサングラスかけた人が立ってて。
サイドを刈り上げたオールバックに見えるけど、実は後ろがハーフアップの西沢さん。いつも機械みたいに無表情で、最初は相当ヤバいタイプかと思った。でも話しかければキャッチボールできるし、愛嬌とか愛想って機能が付いてないだけかなって。

「あ、お疲れさまです。瑤子ママが厨房にいると思うんですよね」

目的を告げる。

「・・・お供します」

自分んちだけど?!

「大丈夫ですよ、西沢さん」

その1、とりあえず遠慮してみた。その2、・・・無言で返された。その3、あたしが折れた。

「・・・ありがとうございます、お願いします」

黙って後ろをついて来る彼は、遊佐の直属で私兵みたいなもんだって榊から聞いたことがある。
遊佐もずい分頼りにしてるみたいだし、これからもずっと助けてくれるかな。くれるといいね。




厨房のママにおばあちゃんからの伝言を伝え、ひと区切りしたら戻る返事をもらって引き返す。
渡り廊下の角を曲がったところで、煌々とライトアップされた石庭をガラス越しに眺めて佇む、見慣れない人が目に映った。
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