愛は、つらぬく主義につき。 ~2
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いつの間にかクリスマス商戦がにわかに目立ちはじめたなぁと思ったら、すぐ年末商戦も追っかけてきて。サンタと七福神が一緒に並んでるカンジがこの国っぽいっていうか。

ああ一年がもう終わるんだ。・・・って、ちょっと呆然としたくなる。フライングでウェディングドレス着た夏がついこないだみたいな気がしてたのに。






「ねー遊佐。クリスマスの辺は予定どうなってんの?」

12月に入って忘年会的な会合だの接待だのが一気に増えた。まぁ一般企業(カタギ)のサラリーマンだって、この時期は飲み会だらけなんだろうけどね。一ツ橋組本家の面々はあっちこっちに顔を出さなくちゃなんないし、正月明けまでバタバタは覚悟だ。

コーヒー入りのマグカップをリビングテーブルにふたつ置き、ソファベッドに寝転んでる遊佐の足許にちょこんとお尻を下ろしながら訊いた。

「んー? もう決まってんのは支倉(はせくら)さんトコ。若に子供がデキたからご祝儀持ってかないとさー」

仰向けでクッションを枕に車の雑誌をめくってた遊佐が、開いたページを自分のお腹の上に俯せにしてこっちを見る。

「若ってあの、16歳年下の人と結婚した?」

「見てるだけで胸ヤケしそーな溺愛っぷりの」 

「えーでも羨ましいよ、女からしたら」

「宮子はオレのじゃ足りてねーの?」

あ。イジワルな顔つき。
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