愛は、つらぬく主義につき。 ~2
思わず横にいる榊を振り仰いで目で訴える。
あんた一人で十分でしょ、なんで西沢さんまで。

「・・・荷物持ちが増えてよかったろ」

ぶっきらぼうに返っただけで説明にも答えにも、なってなーい!
真の手回しなのは間違いないんだろうけど過保護すぎやしない?! 

頭ん中に悶々と駆け巡ったのを。溜め息ひとつで逃し潔く開き直ることにした。黙って言うコト聞く約束だもんね。

「ごめんなさい、西沢さんまで引っ張り出しちゃって」

申し訳なく謝ったあたしに彼はやっぱりぼそっと。「・・・いえ」
何でもないようにも、どうでもいいようにも聴こえた。

「どこから回りたいんだ?」

「まずは百貨店かなぁ。チョコの特設コーナーとメンズ売り場でしょ。お父さん達は地下の和菓子屋さんで、あ、帰りにスーパー寄ってよ。ママに買い物たのまれたの」

「・・・おう」

今日は助手席に収まってる榊に忘れないよう先に伝えとく。

「あとはねぇ」


黒服を二人も連れて歩いてたら職質されないかなぁ・・・。なるだけさくっと買い物済ませよう。別の意味で心配になってるのは内緒にして。


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