神様がくれたプレゼント
いつものように、仕事が終わった後、スーパーで買い物をしようと駅からの道を歩いていた。

翔は、何を食べたいかな?なんて考えていたら……。

えっ、噓……。

この間の女性と楽しそうに話しながら歩く、翔さんを発見した。

ズキンっ。


私といるときより楽しそう。翔さんは、仕事の関係の人と言っていた。って、私……。翔がどんな仕事しているのか知らない。慶大さんは、翔が話すまで待っていてやってくれって言ってたけど……。何で私には教えてくれないの?何か秘密でもあるの?私は、不安で堪らなかった。私の知らない翔をあの女性が知っているということが。

……。

私って……。

翔にとってどんな存在なの?

本当に私だけを好きでいてくれてるの?それとも私は遊び?

……。

一度考えたら、止まらなかった。

大好きだったのは、私だけだったってこと?

そうだよね。翔は、まだ若い。まだまだ遊びたいよね。こんな女が家にいたら困る。きっと……。

あの2人を見て、怒りというよりは悲しかった。本当の気持ちを言ってくれたら……。私は、身を引いたのに……。


ブブ……ブブ……

スマホが鳴った。翔からのメッセージだ。


『今日は、仕事で帰れなくなったので、ご飯の用意はいいよ。美桜も疲れているだろうからゆっくり休んでね。明日の夜には帰るから。……愛してるよ、美桜』


彼女と一緒なのね。今日は彼女と一夜を共にするの?

道端なのに、涙が溢れた。これで終わりにしてあげるから、これからは堂々と彼女と会って。

私は、決意した。翔の前から消えることを。






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