かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました
乾杯をして、冷えたビールを喉に流した。その間に山浦さんは素早くすき焼きを小鉢に盛ってくれた。
「荻原さん、どうぞたくさんお召し上がりください」
「すみません」
本当は私がやらなくちゃいけないのに。
恐縮しながら受け取ると、山浦さんは「お気になさらず」と言いながら、誠司君の分も盛っていく。
山浦さんから受け取った小鉢を見ると、お肉と野菜がバランスよく入っている。
こんなところまで完璧な山浦さんに、ただ感心するばかり。
「小毬、食べて」
「あ、うん」
誠司君に言われて、さっそく卵につけて食べると、口いっぱいに甘みが広がり、それでいてすぐ溶けてなくなったお肉に感動。
「おいしい」
あまりのおいしさに目が見開く。そんな私を見て誠司君は満足げ。
「それはよかった。山浦さん、今後小毬が同伴する会食では、ここのお店を使うようにしてください」
「はい、かしこまりました」
とんでもない会話にギョッとなるものの、すぐにふたりは顔を見合わせ、「冗談だからね」と言って笑った。
入社して来週でちょうど三ヵ月になる。つまり、試用期間もあと数日で終わる。いよいよ本採用となり、働くことができるんだ。
「荻原さん、どうぞたくさんお召し上がりください」
「すみません」
本当は私がやらなくちゃいけないのに。
恐縮しながら受け取ると、山浦さんは「お気になさらず」と言いながら、誠司君の分も盛っていく。
山浦さんから受け取った小鉢を見ると、お肉と野菜がバランスよく入っている。
こんなところまで完璧な山浦さんに、ただ感心するばかり。
「小毬、食べて」
「あ、うん」
誠司君に言われて、さっそく卵につけて食べると、口いっぱいに甘みが広がり、それでいてすぐ溶けてなくなったお肉に感動。
「おいしい」
あまりのおいしさに目が見開く。そんな私を見て誠司君は満足げ。
「それはよかった。山浦さん、今後小毬が同伴する会食では、ここのお店を使うようにしてください」
「はい、かしこまりました」
とんでもない会話にギョッとなるものの、すぐにふたりは顔を見合わせ、「冗談だからね」と言って笑った。
入社して来週でちょうど三ヵ月になる。つまり、試用期間もあと数日で終わる。いよいよ本採用となり、働くことができるんだ。