Serious Finght ー本気の戦いー
1週間後。
夜月は聖也の家の前で待機していた。何故なら、聖也が学校をサボっているから。具合が悪いならメッセージが来る。しかしここ1週間聖也から何も連絡がない。夜月が一方的に送ってるだけになってしまっている。
それに腹をたてた夜月はいよいよ、聖也の家に乗り込む事を決めたのだ。
まずは、渚に連絡しようと思い自身のスマホを取り出した。
【夜】「渚」
【渚】『ん?どーしたの、夜月ちゃん。』
【夜】「私、今から聖也の家に乗り込むわ。」
【渚】『えっ!ちょっ……!?』
夜月は通話を切った。そしてチャイムを鳴らす。
しかし反応がない。
夜月はドアノブに手を掛けた。さすがに開いてないだろうと思ったが一か八か……。
ドアノブをひねってみると、扉が開いた。
奇跡だ……。と云うか、こいつずっと鍵かけてなかったのかよ。と夜月は思った。

夜月は小さな声で「おじゃましまーす。」と言い、少し汚い廊下を歩き聖也が居る部屋へと向かった。

聖也の部屋ヘ着くと、夜月はバレないようこっそりとドアを開けた。
聖也は寝ている。
夜月は足音を立てず聖也の側まで来、思いっきりジャンプし聖也の上へ乗った。
【聖】「ヴッ……!」
衝撃が強すぎたのか、聖也は一瞬白目をむいた。
【夜】「おはよぉ。」
夜月は聖也を見下す様に聖也をジッと見る。
【聖】「夜月……!?お前ッ、どうやって!?」
聖也は夜月が居る事に驚いた。
【夜】「開いてましたけど?自分で閉め忘れただけなんじゃないですか?」
夜月は聖也を煽る様に言った。
聖也はマジか……。という表情を浮かべている。
【夜】「聖也クンさ、なんで1週間も休んだんですかぁ?サボりですよね、完全に。こんなに心配してあげたのに、既読無視とはどういう事ですかぁ?ねぇ。」
【聖】「っ……!」
夜月の圧力にやられた聖也は何も言えずにいる。
【夜】「今日は無理矢理でも連れて行くから。」
そう言って聖也の手を握る。
夜月の行動にドキッとしてしまった聖也は顔が赤くなってしまった。
【聖】「ッ!分かったよ……。行けば良いんだろ……。」
【夜】「分かれば宜しい。」
夜月はそう言うと、頷いた。
【聖】「だったらさっさと下りろ!」
【夜】「あ、ごめん。」
夜月は聖也から下りた。

聖也は着替える為、何処かに行ってしまった。

聖也の部屋、何も変わってないや。
聖也の匂い、聖也が昔使っていたサッカーボールまで昔と変わらないまま飾ってある。
それが懐かしくて、嬉しかったりする。この部屋が私たちの思い出の1つだから。
と夜月は思った。

洗面所にいた聖也は顔を洗いながら、夜月の事を考えていた。
くそっ……。まともにあいつの顔見れねぇ。
さっき手を握られた感覚がまだ残っていた。顔の赤さを誤魔化すように、冷水を顔にかける。


制服を着た聖也は、自分の部屋ヘ戻り夜月を呼びに行く。
【聖】「終わった。」
聖也は自分の部屋に入り、スマホとカバンを取る。
【夜】「聖也待って。」
夜月は、そう言うと聖也のネクタイに手を掛けた。
【夜】「ズレてるよ。」
【聖】「ッ……///」
夜月は無表情のまま聖也のネクタイを直す。
【夜】「はい、完璧。それじゃ行こっか。」
夜月はそう言うと、聖也の手を引っ張り家を出た。



本部基地へ着くと、4人は聖也を出迎えた。
【玲】「心配したんだぞ!」
【実】「実樹だって心配したんだからね!」
玲央と実樹は聖也に近寄った。
【美】「お前らふたりが1番心配しないだろ。」
と美咲がツッコむと玲央と実樹は同時に美咲の方を向く。そして驚く表情をした。
【聖】「悪かったよ。」
聖也はそう言うと、ソファーに座った。
【渚】「気にしなくて大丈夫だよ、聖也。」
渚はニコッと笑い聖也に耳打ちをする。
【渚】「良かったね、聖也。」
渚は誰にも聞こえない様に言った。
【聖】「うるせぇ、心臓保たないわ……。」
と渚に返した。


するとパソコンから怪しいメッセージが送られてきた。
【夜】「ん?」
夜月はパソコンの前に座り、内容を確認する。
【夜】「今日の夜、廃工場で待つ。」
夜月は書いてある内容を皆に伝え、ひとりで何かを考えていた。

パソコンから繋げた?どうやって?……出来たとしても、子どもじゃ出来る筈ない。だとするなら……大人……。
今日の敵は大人達だ……。大人達なら、裏をかいて来るだろう。……狙いは“ここ”だ……。嫌、本当は美咲たちなんだろうけど……。
私がここを守ろう。

【夜】「このケンカ、私は行かない。」
夜月がそう言うと皆は、えっ!?という顔で夜月を見た。
【夜】「ここを守らないと……。」
【渚】「それなら僕もッ!!」
渚は焦った様に言う。
夜月は渚の事を分かっていた。渚もここへの思いは強い。だからこそ守りたいと思ってしまう。だけど……、ここはメインではない。
メインは美咲たちだ。メインの人数が少なくなると、さらに負担がかかってしまう。
そのことを想定した夜月は渚に、「私一人で充分。……大丈夫、私に任せて。」と言い聞かせた。
大人の力を人1倍分かっている夜月はそう判断したのだ。
【渚】「うん……。」
渚は弱々しく返事をした。
【聖】「お前ッ……。」
聖也は夜月を心配する。やはり好きな人が一人だと心配してしまう。
【夜】「大丈夫、ここに来るのは2,3人だと思うから。……それにそっちの方が人数少なくなったら大変でしょう?」
夜月はいつもと変わらない笑みを皆にむけた。しかし、聖也は心の何処かで夜月に不信感を抱いていた。
【美】「夜月、よろしく。ここは任せた。」
美咲はそう言うと、夜月の肩を優しく叩いた。
【夜】「任せて。」
夜月は美咲そう言った。


その言葉が夜月に希望をくれたのだ。
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