世界研究部！！〜文化祭バージョン〜

ドアの前に貼られた紙に大きくそう書かれていた。

「さあ入って、入って〜！！」

ドアを開けると、女の子は風子の背中を押して強引に部屋の中に入れた。

「えっ！？ちょっ……」

部屋の中には四人の人がいた。部屋の中には地球儀や世界地図が置かれ、壁には色んな国の国旗が描かれている。アメリカやフランスなど知っている国旗もあれば、風子の知らない国旗もたくさんある。イギリスの国旗を見つけると、風子は少し嬉しくなった。

「注目！！今日からこの部活に新しいメンバーが加わります！！」

そう言いながら、女の子は風子の腕を掴んだ。

「ええええっ！？」

風子の口から驚きの声が漏れたのは、言うまでもない。



「驚かせちゃってごめんね。よかったらこれ飲んで？」

驚いて固まる風子を、部屋にいた一人の女の子が椅子に座らせ、紅茶を淹れた。

「私は糸川梨花（いとかわりか）。家庭部と掛け持ちしています」

そう言いながら、梨花は微笑む。梨花の微笑みと紅茶の香りで、風子は少しだけ落ち着いた。

「真衣、あなたも自己紹介しないと……」