君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
ー飛鳥sideーー
「ねえ飛鳥ちゃん、やば面白いの見ちゃった!」
知愛とトイレから戻ってきた凜が、唐突にそう言ってきた。
私はのんびり優雅に(?)1人で食事していた。女子のトイレに付き添うのは面倒なんで…。
「やば面白い?」
「廊下で、タイプの違うイケメン2人が話してて」
「…はあ」
1人でテンションの高い凜。
さすが、イケメン大好きちゃん。
「誰だと思う?」
「何、私が知ってる人?」
「知ってるも何も」
さっさと言えば良いのに…。なんて思いつつ、
「佐倉とか?」
と、口にしてみる。
「そう、佐倉くん!」
「あと、飛鳥ちゃんと仲良い後輩くん」
知愛までしっかり乗っかってくスタイルなのね、よく分かった。
「佐倉と貴哉くん?何その組み合わせ」
「だからやば面白いって言ったじゃん!」
やば面白いって程なのかは知らないけど。
子犬系男子代表、貴哉くん。
野良猫系男子代表、佐倉。
…まあ、確かにタイプは違うわな。
「しかもね、会話の内容的に、確実に飛鳥ちゃんのこと取り合ってたの!」
それは聞き捨てならないな。
「俺の方が、妹尾のこと分かってるから。
…的な!」
「前後の内容は分からないけど、それ確実に佐倉がボケを置きに行ってるよね」
そう返せば、2人共つまんなそうに唇を尖らせる。
「いや、でもその後、後輩くんになんか言われて、うちらが見たことないような笑顔見せてたよ!
もう…ギャップ萌えズキュン!って感じだった」
佐倉ね…顔だけは貴哉くんとまともに張り合えるからね。
佐倉にギャップ萌えズキュン!ってしてる女の子いたよって、名前は伏せて報告させていただきます。
「飛鳥ちゃん…全然動じないね?」
「だって、そこだけ聞いただけじゃ、佐倉の安定のボケ対応にしか思えないんだけど」
「え…」
私がそう淡々と返すと、簡単に鎮まるようだ。
ふと、携帯の通知が点滅しているのに気付く。
あ、貴哉くんだ。
気が向いたら物理室来て、だって。
めっちゃ気向いてるよ!
「じゃ、私そろそろ行くね」
「あ…うん」