君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


さて…ボウリングの即興試合開始!!

1投目は飛鳥ちゃんと金澤くん。

金澤くんは6本となかなかの結果。

飛鳥ちゃんはというと…早々にガターしたけど、次に4本倒す。


「う…うんっ、これってチュートリアルだもんねっ?」

「本番だよ」


佐倉くんにサラッとつっこまれ、


「んんっ…貴哉くん、巻き返して!」


少し気に食わなそうにしながらも、飛鳥ちゃんはそう頼んできた。


「がってん!!」

「良い返事っ!」


次は俺と佐倉くんの番。

何考えてんのか本当に分かんない顔のまま、佐倉くんがシュッと投げる。

良い音を出して、見事にストライクを出す。


「え…凄…」


敵ながら、思わず手を止める俺。


「…んな、一目惚れしてない?それ」

「尊敬の目!」


佐倉くんは軽く目線を外して、フッと笑う。
この3人にはそうやって笑うんだね…もう、女の子に見せたら即オチると思うんだけど。

…あ、飛鳥ちゃんは例外ね。
いや、例外でお願いします!


…てかさ、見惚れてる場合じゃない。
今度見惚れられるのは、俺の番だ。

ふっと息をついて、球を投げた。


「ストライク!っしゃあ!!」


ちょっとカーブなんかつけてみちゃって、思いっきりカッコつけさせていただきました!


「いぇーい、巻き返したぁ」


飛鳥ちゃんがハイタッチを求めてきた。
スキンシップ…!嬉しいではないか、えぇ!


「巻き返してはないな。こっちは6本で、そっちは4本だし」

「佐倉ぁー!テンション下がること言うなー!」


急なS発揮。当然飛鳥ちゃんはムキャーってなる。
そうだ、彼女は負けず嫌いだ。


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