君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


結果発表ー!


「「あすたか勝利ー!」」


飛鳥ちゃんと俺は声を合わせて言う。


「完全、たかやんが勝ちに導いたよねぇ」


俺、金澤くんに、たかやんって呼ばれてんの?!


「それな、ほぼストライク出てたもんね。でも私だって…」

「まぐれの1回な」

「佐倉うるさいっ!ストライクこそその1回だけど、徐々に感覚掴んでって、平均7本くらい倒してるもん!」

「まあ…それが勝因か」


というのも、佐倉くんも金澤くんも何回かスペアやストライクは出したものの、6本前後で終わることが多かった。


「貴哉くん、何だかんだ器用だよね…」

「ん?」

「ボウリングといい、射的といい、ゲームといい…」

「ははっ、俺カッコイイ?」

「そうだね。ちょっとくらい弱点無いのかな」


冗談のトーンじゃないんですけど…。
照れちゃうな。


「たかやん何照れてるのー?
自分から聞いといてー」

「まあ、そうなんですけど…」


ボウリングが終わりそこを後にし、少し前を歩いていた飛鳥ちゃんがこちらを振り向いた。


「次何やろっか!」


何となくだけど、やりたいのがあって遠回しにアピールしてるように感じる。


「飛鳥ちゃんは何したいの?」


と聞くと、彼女は


「とにかく、遊び尽くす!」

「あ…そういうことじゃなくてですね?」

「え、違うの??」


まあ、要望はよく分かったけどね。


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