君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
これで、何番勝負は2勝だね!
…何番までやるつもりなのか知らないけど。
「飛鳥ちゃん、凄かったね」
なんて言って、思わず頭を撫で撫でしちゃう俺。飛鳥ちゃんは首を傾げてキョトンとするけど…俺泣かせだな、可愛過ぎ。
さてさて…俺だって学習するんだよ。前みたいな失態は犯さないよ。
「ねえ、トイレ休憩する?」
「お、そうだね」
夏休みの水族館デートの時みたいに、女の子に言わせるなんてしません!
ただ…忘れてたよ。先輩2人も共に、連れ立ってトイレに行くことになるのは考えてなかった。
「…お前、そんなにトイレ行きたかったの?」
なんて、佐倉くんに言われる。
「飛鳥ちゃんに言わせないためです!」
「へえ…やるじゃん」
何故、そんな上からなんですか。
「たかやん、随分女の子慣れしてるんだねー」
「へっ?」
「すんごいスマートだったから」
「ああ…」
「妹尾ちゃんならハッキリ言いそうだけどなー。
トイレ行きたいです!って」
よくお分かりで。
「今更だけど…付き合ってるの?」
「おあっ…飛鳥ちゃんとですか?」
「それ以外ある?」
「付き合ってないです。…まだ」
金澤くんは楽しげにニコニコしてきた。
「まだ、かぁ…。
いいね、告白するつもりなんだね!」
「あの…俺、好きって言ってましたっけ?
ああ、まだって言ったからか…」
「まあそれもあるけど。見てりゃ分かるよー。
あからさま過ぎて、よく妹尾ちゃん気付かないよなーって思うくらい」
「そんなダダ漏れですかねっ!」
「うん、結構」
トイレを後にして、目立つ所で飛鳥ちゃんを待つ。