君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
ー飛鳥sideーー
地学基礎の授業が終わり、片付けて立ち上がる。
「じゃあね、貴哉くん」
そう声をかけると、上目遣いで見つめてきた。
うっ…可愛いな。
いや…何目線だよ私!
「うん、バイバイ飛鳥ちゃん!この後の授業も頑張ってね!」
と、彼は満面の笑みを浮かべて言ってきた。
…何もう、キュンとしちゃうじゃん。
「お疲れ様」
そう、聞こえるか聞こえないかくらいで呟いて、教室を後にする。
不思議な縁というのはあるようで、彼とは地学基礎だけが一緒というわけではなさそうだ。
こんな整った顔立ちの男子に声をかけられて、舞い上がってるのか、そんなことすら感じてしまった。
翌日、昼休み後は物理だった。週に2回も理系科目があるのは、結構しんどいな…。
さほど数学は苦手ではなくて、化学式覚えるよりかはまだマシかな、と思って物理取ったんだけど。
必履修でもなきゃ、絶対取らない。
早めに物理室に来たのに、後ろの方には座ってる人がいて。
あーあ、後ろの方座りたかったのになぁ。軽く溜め息をついてから、前の方の端の席に座る。
「えっ、飛鳥ちゃん?」
前の方から声がして顔を上げる。
「た…貴哉くんっ…」
ビックリして言葉が出ない所を無理矢理出したことにより、半端な声になってしまったけど。
彼はどこか嬉しそうに私の横に来た。
「凄いね、毎日何かしらの授業で一緒だ!嬉しすぎる!」
…ん?毎日?
誰かと勘違いしてるのかな。
「誰かと間違えてない?」
「え?」
「地学と物理だけでしょ?」
そう思ってると、貴哉くんは本気で戸惑った表情を見せた。何というか、自問自答してるみたいな。それから絞り出した言葉は。
「日本史Bと、家庭総合βも一緒なはずだよ?だって、飛鳥ちゃんのことずーっと見かけてたから」
話を聞いていると、確かに同じ授業だった。
全然気付いてなかったな…。こんな整った顔立ちしてるのに。
私が、こんな有望なヒーロー像を見逃すなんて…