君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


ー飛鳥sideーー


地学基礎の授業が終わり、片付けて立ち上がる。


「じゃあね、貴哉くん」


そう声をかけると、上目遣いで見つめてきた。
うっ…可愛いな。
いや…何目線だよ私!


「うん、バイバイ飛鳥ちゃん!この後の授業も頑張ってね!」


と、彼は満面の笑みを浮かべて言ってきた。
…何もう、キュンとしちゃうじゃん。


「お疲れ様」


そう、聞こえるか聞こえないかくらいで呟いて、教室を後にする。


不思議な縁というのはあるようで、彼とは地学基礎だけが一緒というわけではなさそうだ。

こんな整った顔立ちの男子に声をかけられて、舞い上がってるのか、そんなことすら感じてしまった。


翌日、昼休み後は物理だった。週に2回も理系科目があるのは、結構しんどいな…。

さほど数学は苦手ではなくて、化学式覚えるよりかはまだマシかな、と思って物理取ったんだけど。
必履修でもなきゃ、絶対取らない。

早めに物理室に来たのに、後ろの方には座ってる人がいて。

あーあ、後ろの方座りたかったのになぁ。軽く溜め息をついてから、前の方の端の席に座る。


「えっ、飛鳥ちゃん?」


前の方から声がして顔を上げる。


「た…貴哉くんっ…」


ビックリして言葉が出ない所を無理矢理出したことにより、半端な声になってしまったけど。

彼はどこか嬉しそうに私の横に来た。


「凄いね、毎日何かしらの授業で一緒だ!嬉しすぎる!」


…ん?毎日?

誰かと勘違いしてるのかな。


「誰かと間違えてない?」

「え?」

「地学と物理だけでしょ?」


そう思ってると、貴哉くんは本気で戸惑った表情を見せた。何というか、自問自答してるみたいな。それから絞り出した言葉は。


「日本史Bと、家庭総合βも一緒なはずだよ?だって、飛鳥ちゃんのことずーっと見かけてたから」


話を聞いていると、確かに同じ授業だった。

全然気付いてなかったな…。こんな整った顔立ちしてるのに。
私が、こんな有望なヒーロー像を見逃すなんて…


< 18 / 273 >

この作品をシェア

pagetop