君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
こちらに振り向いていた佐倉が真顔のまま問うてきた。
「いや…。凜から、お昼一緒に食べよ!って」
「…行きたくなきゃ行かなきゃいいんじゃねぇの」
「さすがにねぇ…。
9月なんか片手で数える程度しか一緒にいなかったしさー。
あんまり付き合い悪くてもマズイのかなーとも思うんです」
「分かんね。ただ1つ分かるのは…」
「何?」
佐倉は適切なツッコミを入れて下さいます!
期待!
「行っても地獄、行かぬも地獄」
期待した私がバカだった。
「うぅっ…真顔で怖いことを…」
「今行かなかったら、次やっと行く気になって行っても問い質される。
今行ったら、今まで付き合い悪くなかった?って問い質される。
…俺にしては良い想像力だと思うんだけど」
「佐倉の方が、女子の世渡り上手そうだね」
「まあ…妹尾よりかは」
否めないっ…。
「行ってきますぅ…」
「はいはい、英文法の時に愚痴くらい聞いてやるから」
「当たり前だっ!」
半ば八つ当たりしながら、戦場へと…
いや、凜と知愛の元へ。
「あ、飛鳥ちゃん!」
「はろー。あれっ…知愛は?」
「んー、病院行ってから来るって。喉痛いんだって」