君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
「それとも、佐倉くんがどうとかじゃなくて、俺が年下だから?俺そんなに頼りないかな」
私の目を逸らすこともなく、まっすぐ言ってくる。
「確かに俺は、佐倉くんみたいに大人っぽくもないし、金澤くんみたいにめちゃめちゃ勉強できるってわけでもない。
そんな彼らで慣れてる飛鳥ちゃんから見たら、俺なんか色々中途半端で全然ガキかもしんないけど、何か困ってるなら話くらい聞くよ?」
優しくて、それでいて力強い貴哉くんの声と態度が、私の無理してピンと張っていた何かを緩ませようとしてくる。
「飛鳥ちゃん。お願いだから、無理しないで?このままだと、壊れそうで見てらんないよ」
不意にさっきの彼女らの態度を思い出して、目の前がジワジワと滲みだした。
「俺にできることなら、いくらでも力貸すから。俺のこと、頼って?」
「大丈夫、だもん」
「ああ…もう。本当は?」
貴哉くんが呆れたような口調で言ってきた。