君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
はっ?!
今度は金澤くんと佐倉の方に振り返る。
「反応薄っ!え、もっとなんか驚かない?
貴哉くんが急に報告しだしたことの次は、そっちに驚いたんだけど」
佐倉は私に目を向けたと思ったら、また貴哉くんに目を向けて
「やっとかよ」
なんて言い出す。
金澤くんに至っては
「良かったねー。よしよし」
とか言って、貴哉くんの頭をポンポン撫でる。
はっ?へっ?
いやいや…
「あのなぁ、妹尾。
貴哉の気持ち気付いてなかったの、お前だけだから」
「そうそう。
大好きーってオーラ、ダダ漏れだったし」
「えー…」
そうだったのかぁ。
「じゃ、そういうことなので!
行こっ、飛鳥ちゃん」
「あ、ここでご飯食べよってことじゃなかったの?」
「金澤くんもいるとは思ってなかったけど、佐倉くんに報告したかったから来ただけだよ。2人ともいて良かったー」
なるほど…。
「飛鳥ちゃんは、俺と2人で過ごしたくない?」
「んなっ…」
彼氏になった途端、甘々になるじゃん…!
貴哉くんは微笑んで、ついてきてとばかりに歩き出した。私はついて行くしかできない。
「溺、愛!って感じ。いーな、青春だってさ」
「…金澤、そんなに本気で言ってねーだろ」
「自分に起こるとは思ってないね」
そんな会話を背中に聞きながら。