君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


私が行ったことがない、貴哉くんオススメのショッピングモールに行くことになっていて、その近くの駅で待ち合わせ。

余裕をもって着けたけど。
ちょっと寒いな…。


「飛鳥ちゃんっ!」

「あっ」


貴哉くんが猛ダッシュで駆けてきた。


「飛鳥ちゃんは、本っ当に早く来るね!」

「遅刻じゃないんだから、そんな急がなくてもいいのにー」

「寒かったよね、ごめんね」


そう言って、スッと私の手を握る。


「おお…」

「やっと彼氏になれたんだから、手くらい繋がせてよー」


驚いて見上げた私に、楽しそうに笑いかけてくる。


「ほら、行こっ」


そう言って、貴哉くんが歩きだす。

そして、ポケットの中に手を入れられる。


「手冷たいね、寒かったでしょ」

「うん…」


今までもそりゃ優しかったけど…付き合ってからは、優しさに甘さがプラスされている?


「飛鳥ちゃん、そんな大人しかったっけ」

「だって…」

「ん?」

「貴哉くんの彼氏感すごくて、カッコ良くて、照れる…」

「彼氏感っていうか、彼氏なんだけどなー」


そういうこと言われるのも、免疫無いんです!


喋りながら少し歩けば、目的地に辿り着く。


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