君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


翌日。

日本史が終わり、次の教室に移動しようと廊下を歩いていると。

佐倉くんと金澤くんの声が聞こえる。


「そういやこないださー、寝取ったじゃん?」

「彼氏できたばっかなのにな」

「でもしょうがないっちゃ、しょうがないよね。だってさ、あんなことされたら、健全な男の子はもう無理だよ」

「どこが健全なんだよ」

「佐倉くんも納得でしょ?可愛かったでしょ」

「結論、俺らは不健全」

「次見た時、めっちゃ叩かれそうだね」


え…?
ね、寝取った?

彼氏できたばっか…?

飛鳥ちゃんのこと、だよね…これ。


その場に呆然と立ち尽くしてしまい、遠のく声を追いかけることすらできなかった。

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