君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
「佐倉くんとか、他の男友達には女の子扱いされない?」
「あー…そういう聞かれ方するとそんなことないけどさ。学校の行事とかで帰り遅い時、方向逆なのに送ってくれたことあったな、佐倉」
なるほど…佐倉くんは、そういうことをサラッとしてくれる人なのか。
「…俺も、ちゃんと送るから」
「え?佐倉と張り合ってる?何故に…」
「そういうんじゃないけどさ…俺が、そうしたいっていうか」
「へえ?うん、帰宅が9時過ぎそうだったらお願いしようかな」
そうでなくても送りたいんだけどな?
「ってなわけで、どこの夏祭り行こっかー!」
話が飛び飛びになってたね。そうだ、夏祭りに行こうって話だったんだ。
「俺と飛鳥ちゃんの家、多分逆方向だよね?」
「そうだね」
「だったら、間くらいがいいんじゃないかな」
「ああ…。いや、けど2人とも全く土地勘無い所よりかは、どっちかが知ってる所が良いかも」
「確かに」
「ってなると、どちらかと言えばうち寄りだけど、全国的にも有名な花火大会があって、その近くの神社で夏祭りやってるよ」
「おー!じゃあそこにしよっか」
飛鳥ちゃんは頷いた。