3月生まれの恋人〜Birthday present〜
侑月×柊
幼稚園からの帰り道

駅前のスーパーで買い物を済ませたあたしは両手いっぱいの荷物とともに自宅へと帰宅した。

生ものを手早く冷蔵庫にしまい壁に掛けられた時計を見上げると、時刻はちょうど18時半を回ったところで
あたしは慌てて夕食の準備にとりかかった。

今夜の献立は焼き魚に肉じゃが。

パタパタとキッチンを動き回りながらも、今朝めくったばかりのカレンダーを意識してしまう自分に気がついて、思わず足を止めた


視線の先にあるカレンダーには、柔らかなピンクの桜と三月の文字



『三月・・・』




実は今日、一日中何度もカレンダーを意識した。

今日は月始めの一日。



明日は、柊の23歳の誕生日。



誕生日のプレゼントにあたしを欲しいと囁いた
あの日の柊の甘い声が耳に蘇って
ひとりでに頬が熱くなる



『明日、だよね』



先週、莉菜に付き合ってもらいプレゼントも準備した

甘いものが苦手な柊の為に昨晩焼いたブランデーケーキは冷蔵庫の中

肝心の、私の気持ちも
準備した・・・つもり。




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